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Dies irae(ディエス・イレ) 〜Interview with Kaziklu Bey〜
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大儀式魔術・黄金錬成 を控え、日本に向かう直前の彼は、訪れたインタビュアーに己の過去を語り始める。
それは 1944年、ワルシャワの戦場で出会ったアルビノの少女との物語――ニューヨークのブルックリンにあるヴァンパイア・バー『怪物園(ボルヘス・ハウス)』で、対面のインタビュアーに向ける男の言葉はそんなものから始まった。
第二次大戦以降、世界中のあらゆる紛争地帯に現れて、暴虐の限りを尽くす白貌のSS将校。
戦場の吸血鬼。 彷徨えるハーケンクロイツ。彼こそがヴィルヘルム・エーレンブルグ。
世界の敵として、国連が極秘に追い続けている第三帝国の残党。 聖槍十三騎士団という、魔人たちの一人であった。その彼は今、長年待ち続けた悲願を果たすため日本へ向かおうとしている。
普段なら無視か殺すかしていたであろうインタビューなどに応えているのは、約束の時を前に高揚した心が生んだ遊びにすぎない。ともかく、彼はそうした理由で機嫌が良かった。 饒舌であり、感傷的にもなっていた。
ゆえに今へ至るまでの人生を振り返り、その道程を懐かしむ。 問われるがまま、己の過去を明かしていく。魂に食い込んだ血の呪い。 拭い去れぬ水銀の業。
それを自覚した日、ヴィルヘルム・エーレンブルグ とは何者であるのかを、深く刻み付けた少女との物語を。全部、全部話してやるよ。 そいつとの出会いから、終いまでをな。
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